【12】パイロットランプ+電灯点滅回路
電気工事士試験で「複線図を制するものは、電気工事士試験を制する」といわれるほど、電気工事士試験の勉強で複線図の書き方は重要です。
ここでは、パイロットランプ+電灯点滅回路について説明します。
東野圭吾さんの小説のように軽快に読み流すことができます。
・パイロットランプ
電気は目に見えないものなので、実際電気が来ているかどうかを確かめるには、検電器やテスターを使用しますが、面倒ですね。
そこで、目で見て電気が来ているかどうかを確認できるのがパイロットランプです。
パイロットランプの点灯は、次の3つに分けられます。
①常時点灯(スイッチの入切に関係なく、常に点灯している。)
②同時点滅(スイッチが切れているときに消灯し入れると点灯する。)
③異時点滅(スイッチが切れている時に点灯し、入れると消灯する。)
技能試験で出題されるのは、
パイロットランプ常時点灯と同時点滅の回路ですので、それについて説明します。
【パイロットランプ常時点灯回路】
次のの単線図を複線図に直します。パイロットランプに“イ”の記号が付いていません。
【手順1】
単線図を見て電線を電源、器具に配置します。
【手順2】
電源と電線、器具と電線をつなぎます。
パイロットランプの結線は次の手順で行います。
①パイロットランプが常時点灯しているということは、スイッチの入切に関係なくパイロットランプには常に電気が通っているということです。従って、コンセントを結線する要領と一緒で、パイロットランプに黒線と白線を結線します。(尚、コンセントのように極性(W)はありません。)
②次にスイッチを結線します。スイッチへ入る側の黒線は、パイロットランプからの渡り線を使います。
(渡り線:黒) スイッチから出る側は、赤線です。
※次の図のように、スイッチからパイロットランプの方へ渡り線を出しても問題ありません。
(そのとき、必ずスイッチへ入る側から渡り線を出してください。出る側から渡り線を出すと、同時点灯になってしまいます。)
電源と 器具を結線した図は次のようになります。
【手順3】
単線図を見て、電源の電圧側から追った電気の通る道筋を把握します。
⑴パイロットランプ回路の道筋
⑵電灯点滅回路の道筋
【手順4】
手順3の矢印に従って電線を結線します。
⑴パイロットランプ回路の結線
⑵電灯点滅回路の結線
ジョイントボックスを書くと完成です。
常時点灯の場合、渡り線は黒を使用してください。
【パイロットランプ同時点滅回路】
次の単線図を複線図に直します。同時点滅の場合はパイロットランプの横に“イ”の記号が入って
います。
【手順1】
単線図を見て電線を電源、器具を配置します。
【手順2】
電源と電線、器具と電線をつなぎます。
ここで、パイロットランプが同時点滅するということは、スイッチを入れるとパイロットランプが点灯し、スイッチを切るとパイロットランプが消えるということです。
従って、パイロットランプ回路の電気の通る道筋は電源→スイッチ→パイロットランプ→電源 となります。
パイロットランプの結線は次の手順で行います。
①最初にスイッチの結線を行います。スイッチの入る側が黒、出る側が赤となります。
②次にパイロットランプの結線を行います。スイッチの出る側から赤の渡り線をパイロットランプへ渡り線を出し、もう一方を白線に結線します。
(本によっては渡り線は何色でもよいと書かれていますが、赤色を使うのが無難だと思います。)
電源と器具を結線すると次のようになります。
【手順3】
単線図を見て、電源の電圧側から追った電気の通る道筋を把握します。
⑴電灯点滅回路の道筋
⑵パイロットランプ回路の道筋
【手順4】
手順3の矢印に従って電線を結線します。
⑴電灯点滅回路の結線
⑵パイロットランプ回路の結線
ジョイントボックスを書くと完成です。
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