【10】渡り線のある回路 (電気工事士試験で重要)
渡り線のある回路は、電気工事士試験の技能試験では特に重要です。
電気工事士試験で、スイッチとコンセントが同じ枠に入っている場合など、同じ枠内にスイッチやコンセントなどの器具が2つ又は3つある場合は渡り線を使います。
次の図の場合は、コンセントとスイッチを渡り線でつなぎます。
次の図が埋込形コンセントと埋込形片切スイッチの裏側の図です。
コンセントには電圧側の差込口(端子)が2つあります。どちらか一方(どちらでもよい)に黒線を差し込みます。
また、接地側の差込口も2つあり、接地側の印であるWの表記がされています。このどちらか一方(どちらでもよい)に白線を差し込みます。
【5】のコンセント回路の応用でコンセントを2つ繋げたように、コンセントの電圧側のもう1つの差込口と、スイッチの差込口をつなげば、スイッチの方へ電気が流れるというわけです。
このコンセントとスイッチをつなぐ線を渡り線といいます。
注意事項は、
⑴渡り線は、電圧側から取ってください。
⑵渡り線は、黒線を使用してください。
実際の例を次の単線図を基に説明します。
スイッチ“イ”を入切して、引掛シーリング“イ”に取り付けた照明器具を点滅させます。
以下は複線図の作成手順です。
【手順1】
電源、器具、電線を配置します。
【手順2】
器具と電線を結線します。
ここで、コンセント、スイッチと電線の結線は次の順番で行います。
①コンセントと電線を結線します。
【注意】 コンセントの電圧側は黒線を 接地側Wは白線を結線します。
②スイッチへ入る線を結線します。このとき、渡り線を使います。
【注意】渡り線は黒線を使ってください。
③スイッチから出る線を結線します。
【注意】スイッチから出る線は赤線となります。
➃電源と電線、引掛シーリングと電線を結線します。
【手順3】
単線図を見て、電源の電圧側から追った電気の通る道筋を把握します。
⑴コンセント回路の道筋
⑵スイッチ回路の道筋
【手順4】
手順3で書いた矢印に従って線を結線していきます。
⑴コンセント回路の結線
⑵スイッチ回路の結線
ジョイントボックスを書くと完成です。
スイッチ、コンセントの配線例は次の図のようになります。
配線は、次のようにつないでも問題ありません。
また、複線図で次のようにスイッチ→コンセントで渡り線を出しても問題ありません。
【問題】
次の単線図を複線図に直してください。
【答】複線図例
◀コンセント+電灯点滅回路 コンセント+電灯点滅回路2つの複合回路▶